アドリブ本番にあると役立つアイディア
前回までに、アドリブ練習のためのツールを紹介しましたが、実際のセッションやコンボのライブで実践できるものにするのに一歩足りないと思い、いろいろ検討しています。
その中の一つのアイディアを紹介したいと思います。
アドリブする瞬間に考えていること
アドリブ練習ツールでは、コードの解析を自動化して譜面を表示することで、プレイヤーの負担を減らすような役目を果たしていました。 しかし、自分自身がアドリブの演奏に使うにはもう1,2ステップほど何かが足りないと感じていました。
実際に演奏する瞬間は、正直いうとコードやらスケールなどは意識できていません。その場で流れるベース・ピアノの音程を耳が捉えているのですが、思考せずに指が反応している感じです。「Bb7だからオルタードスケールだな」などと言語化しているとロスになります。スケールが分かったとしてもスケール→音階を思い出す→運指を実践、の変換に時間がかかり、本番では間に合いません。CPUの性能が悪いPCみたいです。
それでは本番は何も考えられないのか、というと、少しだけ考える余地もあります。
- ソロの構成・ストーリー
- その場の空気・緊張感
- リズムセクションのリアクション
などです。
演奏中には抽象的なものの方が理解しやすい
アドリブをしている間、スケールや運指など細かいことには気が回りません。もしくは、ミストーンを引きずって、次のフレーズが詰まってしまっては本末転倒です。 しかし、前述のような抽象的なものは、意外にも演奏中も受け取ることができます。言語に変換せずに理解できるからです。
例えば、このコーラスでソロを終えようと決めた時には少しアクセルをかけて速いフレーズを演奏したり、緊張感を出すためにわざと長めに休符をとったり。
しかし、周りの音を聞きながら、演奏しつつ、フレーズを生み出しつつ、だと頭がいっぱいになることもあり、ストーリーどころか支離滅裂なソロになってしまうことがありました。 そこで、Yes or Noを題材に、ソロのストーリーを図に書いてみました。
汚い手書きで申し訳ありません。。
今日コンボ練習があったのですが、この指針があるだけでどんなフレーズにしたら良いか、迷わずにすみました。小節数と全く対応していませんが、最初のコーラスでは全音符〜四分音符中心、後半にいくほどに速いフレーズで埋める、のような構成を事前に設計しておくと、演奏中にそのストーリーの肉付けをするだけで良くなります。
こんな要素も練習ツールに取り入れられたらな、とぼやっと考えた週末でした。