練習ツールを作ろうとしたきっかけ
これまでの記事で紹介したアドリブ練習ツールについて、作り始めたきっかけを振り返って書いてみます。
アドリブソロに惹かれる理由
まず、アドリブソロのどこに魅力を感じているのか?
私はジャズの入り口がビッグバンドだったので、はじめのうちは譜面をいかにジャズのアーティキュレーションで演奏するかに終始していました。 サックスはソロも多いので、そのうちにアドリブもできたら、くらいのつもりでした。
学生の頃は「この人になりたい」と思うプレイヤーの演奏をひたすら真似ていたのですが、最近になって、ソロも自己表現の一つだな、と考えるようになりました。
目立つからカッコいいとか、楽器のテクニックがすごい、とかそういう形になるものはわかりやすいんですが、今はあまり興味はなくて。言葉にするなら、楽器を通じて自分が作りたい世界を表現するためにソロをやる、ってことなのかな。
聞いてホッとするソロ、興奮を呼び起こすソロ、悲しみが癒されるソロ。もしかしたら、恐怖や苛立ちを感じさせるソロもあるかもしれない。言語ではないので聞き手がどういう想いになるかはわからないですが、感情を揺さぶれたら、という気持ちがあります。
どんな世界であれ、まずは表現できるようになるために、アドリブを練習したいんだと思ってます。
まず何から取り組めば良いのか?
話題を元に戻して、アドリブソロをするには何が必要か?
頭の中の流れをみると、
- コードを認識
- 演奏可能なスケールを浮かべる
- コードをつなげるフレーズを浮かべる
- 音を出す
- ソロ全体を通して緩急・抑揚をつける
- リズムセクションとの対話
とかでしょうか。
1.~4.まで無意識でできるようになれば、そこから5.6.の表現に集中できるようになるかな、と思います。
AIがアドリブ演奏をする技術も進んできているようですが、コンピュータ技術が人間の演奏を超える演奏を再現超えないという点よりも、人が表現するのを手助けしてくれる方に私は興味が湧きました。
プログラムの力で1.〜4.を鍛えるような、そんなツールがあればと思って作り始めました。
アドリブ演奏の難しさ、プログラムでどう補うかなど、次回書く予定です。
つづく